授業3: 株式投資の基本の指標と企業分析
ようこそ!株式投資の授業第3回目:企業分析編でございます!!
第2回の受講がまだの方はぜひこちらから!!
株式投資を始める上で、購入する企業の価値や将来性を判断することはとても大切です。ここでは、基本的な指標の理解から、企業分析の実践方法、さらにはどんな株を選ぶべきかまで、詳しく解説します。
1. 基本的な指標を知る
株価や企業の状態を知るための「ものさし」として、株式投資ではいくつかの指標が使われます。この指標を使うことで、ある株が「割安」なのか、「成長性がある」のかなどを判断できます。
1-1. PER(株価収益率:Price Earnings Ratio)
PERとは?
企業が1年間に稼ぐ利益(1株当たり利益)に対して、現在の株価が何倍になっているかを示す指標です。
- 計算式: 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
- 例: 株価が1000円、1株当たり利益が100円の場合、PERは10倍となります。
PERの目安
- PERが低い(10倍以下) → 割安と見られる可能性があります。
- PERが高い(20倍以上) → 将来の成長を期待して投資されている状態です。
注意点: PERが高いからといって必ずしも「割高」とは限りません。成長が期待される企業(例えばITやAI関連)は、PERが高めに設定されることが多いです。
1-2. PBR(株価純資産倍率:Price Book-Value Ratio)
PBRとは?
企業の純資産(資産から負債を差し引いたもの)に対して、株価が何倍の価値で取引されているかを示します。
- 計算式: 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
- 例: 株価が1000円、1株当たり純資産が500円の場合、PBRは2倍。
PBRの目安
- PBRが1倍以下 → 市場がその企業を過小評価している可能性がある(割安)。
- PBRが1倍以上 → 市場がその企業に期待をしている。
注意点: 低PBRでも、業績が悪化している企業の場合は、割安ではなくリスクが高いだけというケースもあります。
1-3. 配当利回り
配当利回りとは?
株を保有することで得られる配当金が、株価に対してどれだけの割合になるかを示す指標です。
- 計算式: 1株当たり配当金 ÷ 株価 × 100
- 例: 配当金が50円、株価が1000円の場合、配当利回りは5%。
配当利回りの目安
- 3%以上 → 比較的高配当とされる。
- 5%以上 → 非常に高配当だが、無理に配当を出している可能性もある。
注意点: 高配当をうたう企業が、業績悪化のために減配(配当を減らす)するリスクもあります。
直近の10年くらいの配当の増配、据え置き、減配の回数を確認したり、その企業が累進配当やDOEなどの配当の方針を決めているかも確認すると良いですね!!
2. 企業分析の方法
企業分析とは、その企業が「安全で健全に運営されているか」「成長性があるか」を見極めるための手法です。ここでは、具体的な手順を解説します。
2-1. 財務状況をチェック
企業の健康状態を知るために、財務状況を確認するのは基本中の基本です。
見るべきポイント:
- 売上高:
企業の規模や成長性を示す。- 売上高が増加している → 成長企業の可能性が高い。
- 売上高が停滞または減少 → 競争に負けている可能性も。
- 営業利益:
本業でどれだけ儲けているかを見る指標。- 営業利益がプラス → 本業がしっかり稼げている。
- 営業利益がマイナス → 本業が赤字状態である。
- 純利益:
最終的に企業が稼いだ利益。- 純利益が安定してプラス → 優良企業。
- 純利益が赤字 → 経営再建中やリスクが高い状態。
2-2. 業界の動向を理解
企業の業績は、所属する業界全体の影響を受けます。そのため、業界全体の成長性や課題を調べることが重要です。
例:
- 成長が期待される業界: IT、医療、再生可能エネルギーなど。
- 競争が激しい業界: コンビニ業界、小売業など。
2-3. 企業の強みを探る
他の企業にはない、その企業の強み(競争優位性)を見つけます。
- 例:技術力 → 他社が真似できない技術を持っている。
- 例:ブランド力 → 多くの消費者に信頼されている。
- 例:市場シェア → 業界で圧倒的なシェアを誇っている。
3. 実際にどの株を選ぶか?
分析ができたら、どんなタイプの株を選ぶかを考えます。
3-1. 安定株
- 特徴: 長年利益を出し続けている大企業。
- 例:トヨタ、NTT、三菱UFJなど。
- おすすめポイント: 株価が大きく動きにくいのでリスクが低い。
3-2. 成長株
- 特徴: 売上や利益が急成長している企業。
- 例:ITベンチャー、新興企業。
- おすすめポイント: 高いリターンを期待できるが、リスクも高い。
3-3. 配当株
- 特徴: 配当金を目的とする投資家向け。
- 例:KDDI、ENEOSなど。
- おすすめポイント: 安定した収益を得られる。
4. 練習問題
架空の企業「未来テクノロジー株式会社」のデータを使って、分析をしてみましょう。
データ:未来テクノロジー株式会社
- 売上高:500億円(前年から10%増加)
- 営業利益:50億円(前年から15%増加)
- 純利益:30億円(前年から20%増加)
- 株価:1000円
- 1株当たり配当金:30円
- 発行済株式数:1億株
質問:
- PERを計算してみましょう。
- 配当利回りを計算してみましょう。
- この企業に投資するメリットとリスクを考えてみましょう。
解答・解説を一緒に確認しよう!
答えがわかったら次のページへ!一緒に計算しながら、さらに深く学んでいきましょう!!
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